旅をおえて

中国・甘粛省・青海省をゆく
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度、チベット仏教のお祭りを見てみたいと思っていた。ラプラン寺の法会の日はあいにくの雨天だった。予定の時刻になっても、 お祭りはなかなか始まらなかった。8時頃から境内で待っていたが、その時には殆ど人がいなかった。10時頃になってくると、 どこからともなく人々が湧いてきた。押すな押すなの大賑わいに成ってしまっていた。カメラを構えるのも一苦労だった。チベット人も 少しでも隙間があると割り込んでくるし、2時間位したらそこにいるだけで人に酔ってしまった。あまり娯楽がないのか、単調な踊りを チベットの老若男女が一生懸命見ていたのが印象的だった。昼食後に見に戻っても同じシーンが延々と演じられていた。祭りの詳細はよ く分からないが、僧侶が前に居て、人々が仮面を被った僧侶が踊るのをじっと見ている。映画のセットを見ているような出来すぎた宗教 絵巻を見ているような気がした。こんな世界も地球の中には残っているのだと思った。

海湖の周りをラサに続く道がある。時折、車が通るくらいでひっそりとした舗装道路。一人の男が歩いていた。立っては祈り、 跪いて地面に体全体を付けて祈る。そして自分の歩幅だけ前に進んでいく。五体投地。一度はこのシーンを見たかった。今までいろいろ なチベット文化圏を旅したが、一度も出会ったことがなかった。カメラを構えてもどう撮ればいいのか迷ってしまう。取りあえず、無難 な感じで撮った。さあこれから、自分なりのアングルで撮ろうとするとガイドが「あまり近づいたらダメだ。これ以上撮ってはダメだ。」と言い出した。 「このシーンを撮るのが夢だったんだ。」とまけずに言うと不承不承ながら引き下がった。そんなこんなでガイドと時間を費やしている と、青年僧は先の方に行ってしまっていた。大切なものがするっと手からこぼれ落ちた感じがした。宗教色の強いシーンを撮るのは気を 使う。人間の根幹に関わる問題だから、どうしても尖った意見が出てくる。撮った方がよかったのか否かの判断は、見ている人がするも のかもしれない。私自身は、「こんな人もいるのですよ。」と自分自身が感動したことをフィルムに収めているだけだ。

0年前、蘭州の郊外で見た麦畑がとても印象に残っている。今回の旅は蘭州から始まって、たくさんの麦畑を見ることが出来た。 その中でもダライラマ14世の生家付近の畑はとても美しかった。環境が人を作るのかもしれない。そんなことを思った。 旅行をしていつも思うことは、本当に地球は広い。

図で見るとどんな人が住んでいるのか分からないけれども、現地に行くとこんな 人が居たのかと納得したりもする。11日間の旅だったので、十分な撮影する時間は少なかったがったがチベット仏教の拡がりを 実感した旅だった。


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