一枚の写真を撮る。彼らの人生の一瞬がフィルムに残される。
点の記憶が私のものになる。ただそれだけの行為にかなりの情熱を注いできた。
訪れたアジアの国は10カ国。中国、モンゴル、ネパール、インド、ブータン、パキスタン、
スリランカ、ウズベキスタン、トルコ。
私の行ったところは、辺境の地が多かった。そこにいる人々が人の始まりのような気がする。
物質のないところでいかに豊かに暮らしているのか。それに比べて………
とありきたりの図式だが彼らの生き方を見ていると我々も学ぶべきものが多いと感じる。
今年(2000年)の正月ラオスに行った。ラオスの朝は寒い。道端で暖をとるためにたき火をしている
子供たちがいた。私が近づくと火の側にいけるように場所を空けてくれた。何気ない優しさが私の心を
暖かくしてくれた。辺境を旅するとこんな人の心に触れることがよくある。
写真集を出すと見しらね人から手紙を頂くときがある。手紙を書くということはきっと私の気持ちが
通じたのだろうとうれしい気分で封を切る。よかったと言う短い言葉でもいい反応があるのは素直に
うれしく思う。この場を改めて感謝します。ありがとうございました。
そして、なれないことをまた一つやった。ホームページを作った。写真集は一つの完結ものだが、
ホームページは流動的なものだ。とくに写真集では撮影時のことは書いてないので、
そのあたりのことがこのページで説明できればいいと思いこれを作った。
まだまだ十分ではないけれど、これは訂正修正が可能なので、うれしい。
レイアウト・文章・写真の選択などまだまだと思うが、
随時訂正変更していこうと思っている。
まだまだいろいろなところの人々を撮ってみたい。まだまだ行ってみたいところはある。
彼らレンズを通して見ると興奮している自分がいる。「生きている」彼らに共感して彼らから
エネルギーを貰っている気がする。
なお、表題は私が好きな吉田拓郎さんのおよそ20年前のLPタイトルから頂いた。
(200年4月に書いたもの)
写真集の表紙B5版:定価2000円:126ページ:モノクロ写真130枚
改めて、おわりに
上のことを書いて2年が過ぎた。HPも少しは作り方が分かってきた。
一度、気ままに作って来たものを整理し統一感を出して見ようとして
全面改定を試みている最中です。
国際情勢は変化してきた。アフガニスタンの問題。
それにカシミール問題。
この写真集は被写体になっているところにも近いところで。
人ごとではない気がする。微力な私に何が出来るというわけではなく、
ただ人々が安寧に暮らしていける時期が一刻も早く来ても欲しいとは
願っている。そしてまた、彼らの暮らしを撮ってみたい。
藤原 昌明(2002年6月) |