the Mekong


メコン夕景(ルワンプラバン)
コンという響きからは豊潤な風景を想像していた。
メコンそのものは写真を撮るものから見ると、高低差が少なく穏やかに流れていて、絵になりにくい川だった。(もちろん、私の力量不足のあるだろうが。 コーン滝群は、迫力のある絵になりそうだが今回は行ってないので。) 
その分、人物の写真はたくさん撮れた。今回の写真を見ていると、個性的な被写体が少なかった気がする。たとえば、チベットでよく出合う皺が深い男、 インドで見かける眼孔が鋭い男。同じアジアでも全然感じが違ってくる。人は環境によって作られるのかもしれない。メコン周辺は水も豊富で緑もたくさんあって 自然環境は豊かである。だから、こんなに柔和な表情が出来るのかもしれない。 この環境は日本にも当てはまるが、この人々とはかけ離れてしまっている気がする。物質文明の影響の方がわれわれ日本人には大きすぎるからだろうか。


数民族の中で、モン族が一番印象に残っている。いっぱい村に行ったが彼らの村に一番多く訪れた。こんな話を聞いた。「ベトナム戦争の時、彼らはアメリカ軍として 北ベトナム軍と戦い、果敢に攻めて北ベトナム軍を苦しめた。戦争に敗れると、彼らはラオスの山の中やアメリカに移民させられたりした。」 国と国の争いの中に呑み込まれてしまった穏やかな山里に住む少数民族。今の彼らの姿と過去の歴史を照らし合わせるとよけいに人間の悲しさみたいなものが見えてきた。


旅の日程 人々 地図 ベトナム ルワンプラバン 終わりに [Back]

ご意見・ご感想
masaaki_f@geocities.co.jp